与党税制改正大綱に関する日税連会長コメント

2016年12月9日
 このほど決定された平成29年度与党税制改正大綱においては、災害時における
税制上の対応について、これまで災害の都度、特例法により措置されていた災害
損失の繰戻しによる法人税額の還付等の措置が全ての災害に適用され、更に一定
の指定を受けた災害については、被災した建物等の建替え等に係る登録免許税の
免税等の措置が適用されることが、あらかじめ各個別法に明記されることとなり
ました。当会では、「災害税制に関する基本法」を立法化して、災害発生時の税
制上の対応について各税目横断的に定めることで、平時から納税者に不安を与え
ないようにすることを求めており、当会の問題意識を汲み取っていただいたもの
と捉えております。

また、中小企業税制については、取引相場のない株式の評価における類似業種比
準方式について、上場企業の株価の大幅な変動による影響を平準化するための措
置がとられることとなり、設備投資促進税制及び研究開発税制も延長・拡充され
るなど、当会の建議に沿った見直しとなっております。このほか、中小企業向け
の租税特別措置の適用について、課税所得15億円超の企業を除くこととされまし
た。中小企業に対する特例の趣旨にそぐわない企業を除外することは必要です
が、資本金基準に所得基準を組み合わせること及び基準金額の適正性について
は、なお検討が必要であり、例えば従業員数等の他の基準も考慮すべきと考えます。

さらに、働き方の選択に中立的な税制構築の観点から、配偶者控除及び配偶者特
別控除の見直しを行うことも明記されました。しかし、配偶者の給与収入の制限
は依然として残っており、収入によっては社会保険への加入義務も生じることか
ら、この問題を真に解決するには、所得控除全般の役割の見直しや社会保障制度
のあり方も含めた抜本的な改革が必要だと考えております。

税理士法には、税理士会は税務行政その他租税又は税理士に関する制度につい
て、権限ある官公署に建議することができると規定されており、当会は、毎年建
議を行っております。また、それを国政の場に届けられるのは、日本税理士政治
連盟及び各単位税理士政治連盟のご支援があればこそです。国民・納税者の視点
に立って税理士法に基づく建議を行うことは、税務の専門家団体である税理士会
に課せられた公共的使命の一つであり、今後も、あるべき税制の確立と申告納税
制度の維持・発展のため、積極的に意見を表明してまいります。

最後に、当会の建議活動に対する全国の税理士会員のご理解及びご協力、並びに
当会の要望実現にご尽力いただいた関係国会議員、行政当局等に改めて御礼申し
上げます。
(日税連ホームページより転載)

 今年の改正は中小企業税制、災害税制、等重要改正項目が沢山あります。
KMG税理士法人では、年明けにわかりやすい解説を掲載する予定です。

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