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平成30年度与党税制改正大綱について(会長コメント)

平成30年度与党税制改正大綱について(会長コメント)
2017年12月14日お知らせ

平成30年度与党税制改正大綱においては、事業承継税制について、雇用維持要件の事実上の撤廃、猶予対象となる株式の数及び課税価格の制限撤廃などの適用要件の大幅緩和のほか、
経営悪化により株式を譲渡した場合等における相続税額の再計算の特例が盛り込まれました。当会は、ドイツの充実した事業承継税制の視察等を踏まえ、繰り返し適用要件の緩和を建議してきました。
今回、それが採用され、過去に例のない改正が行われることを高く評価いたします。この制度の利用により次世代への健全な承継が円滑に行われ、日本経済の底上げに寄与すると確信しており、
税理士はその推進役としての責務を負うべきであると認識しているところです。
これに関連して、一般社団法人等を利用した相続税の租税回避を防止する措置が講じられることとなりましたが、これは政府税制調査会での当会の指摘が端緒になったものと受け止めています。
本来の制度趣旨とは異なる使い方により税負担を回避する行為に対し、引き続き毅然とした態度で意見表明していく所存です。

個人所得課税については、働き方の多様化等に対応し、基礎控除を引き上げた上で給与所得控除及び公的年金等控除を見直すことが明記されました。これは、当会の建議の方向性と基本的に一致するものです。
しかしながら、高額所得者の基礎控除が消失する仕組みについては、基礎的な人的控除が憲法25条に定める生存権の保障を目的としたものと解されていることを踏まえれば、より慎重かつ丁寧な議論がなされるべきと考えます。

このほか、所得拡大促進税制の基準年度(平成24年度)方式の廃止、特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)へのマイナンバー記載の見直しなど、当会の建議に沿った見直しが多数盛り込まれています。

なお、大法人等の電子申告義務化について、改革の方向性には基本的に賛同するものですが、今後、中小法人にも拡大するのであれば一定の配慮が必要です。当会としては、中小法人の電子申告利用率を高めるべく、税理士会会員への指導を徹底していく所存です。

税理士法には、税理士会は税制改正について建議することができると規定されており、国民・納税者の視点に立って建議を行うことは、税務の専門家団体である税理士会に課せられた公共的使命です。今後も、あるべき税制の確立と申告納税制度の維持・発展のため、積極的に意見を表明してまいります。

最後に、当会の建議に対する全国の税理士会会員及び税理士政治連盟のご理解・ご協力、並びに建議実現にご尽力いただいた関係国会議員、行政当局等に御礼申し上げます。